夢の中で
昔から夢をよく見る。
学生時代の夢
同級生とわいわい遊んでる夢
そこには普通の、ただ普通の生活が映し出される。
失った青春を夢の中で得ていた
普通が難しくなってから、今を生きるためだけに精一杯駆け抜けた、息をするのも忘れるほどに忙しく走り抜けた。
先には何も残ってなかった
高校もやめて、人に言えない仕事して
ひたすらに惨めだった
将来のわたしが今のわたしを抱きしめてあげることができますよう、夢の中へまたもぐる
波にのまれて
朝5時半、やるせなさと消えたい気持ちを抱えバシバシとフロントが凍った車に乗り込む。
車で走ってるうちにそのまま風に溶けてなくならないか、なんて考えながら高速を走らせ海へ向かった。
2時間後には、消えることもなく海に着いてしまった。
昔学校の先生が「冬の沿岸は雪もなくて気温も高い」って言葉を信じて向かったのに、向かった先は内陸より雪積もってるし、-6度とかだし、話と違う。これは初めから知っていたが、何もない。
海以外何もない。
行く宛もない、帰るのも嫌。
疲れてしまった、一週間くらい失踪したい。
記憶の中で
腕から伝う血を見ながら、いつになったら良くなるんだろうと考える。
3年後には忘れているかもしれないし、はたまた20年経ってもこうしているかもしれない。
来年ですら生きているのか死んでいるのかわからないのに、彼氏との未来をぼんやりと描く自分をみて「でもきっと大丈夫だろう」とどこかで確信している。